★経営分析「安全性分析」
会社の持久力を見る方法とは
会社は、日々の取引の中で、同時に、多くの債権や債務が発生します。
モノやサービスを売った場合、代金が回収されるまでの間、売掛金や受取手形といった売上債権が計上されます。
また、商品を仕入れる場合、買掛金や支払手形を計上します。
現金商売でない限り、この掛け売りは、必ず発生するものなのです。
さらに、経費や給与、税金などの支払いも、いつも一定の期間にまとめて支払うので、未払いの債務計上を行います。
「債権」は、常に相手側から支払われないリスクがあり、「債務」は、自社で支払えないリスクがあります。
そして、会社は、成長を早めるために、先行投資をして、多くの借金をすることもしばしばです。
しかし、多くの借金をすることにより、手元に現金が残らず、資金繰りが滞り、支払いも滞ってしまうのです。
会社は、支払いが滞ってしまうリスクを避けるために、常に、会社の返済能力を見ていなければなりません。
その返済能力を見ることが、「安全性」の分析であり、資金繰りを見ることでもあります。
「安全性」の分析の方法としては、
・流動比率による分析
・流動資産の項目ごとの分析
・当座比率の分析
・固定比率の分析
などがあります。
流動比率とは、(流動資産)÷(流動負債)で表されます。
流動資産とは、1年以内に支払われる資産であり、流動負債とは、1年以内に支払わなくてはならない負債です。
つまり、流動比率が1よりも小さい場合、1年以内に、支払われる金額よりも支払わなくてはならない金額の方が多くなり、支払うお金が足らないため、借金をしなくてはなりません。
すると、お金を貸してくれるところが見つからなかったら、支払不能となり倒産することになってしまうのです。
ですから、必ず、流動比率は、1(100%)を超えていなければならず、できれば、より大きな比率でなくてはならないのです。
しかし、流動比率が1を超えて大きければいいとは限らない場合があります。
それを見るためには、流動資産の項目ごとの分析が必要になります。
いかがでしたでしょうか。
会社の支払い能力、持久力を見るためには、「安全性」の分析と資金繰り表の分析を行う必要があります。