エレガント経営学

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★会計「キャッシュフロー計算書」

「優良企業であるかの見分け方」

先日参加したアンソニー・ロビンズのセミナーでは、世界中の経営者たちが参加していました。
積極的に学ぼうという姿勢で参加されているだけあって、参加された経営者の会社は、かなり成長されている企業、売上げが伸びている企業が多いようでした。

日本国内でも、景気とは関係なく成長し続けている優良な企業も結構あるというのも事実です。

果たして、「優良企業」というものは、どこを見れば分かるのでしょうか。

今回は、財務諸表から「優良企業」かどうかを見分ける方法をお伝えしたいと思います。


「優良企業」とは、利益を上げている企業ですよね。

それでは、利益を見るには、財務諸表のうちの「損益計算書(P/L)」を見ればよいのでは、と思うかもしれません。

確かに、損益計算書は、会社の利益(損失)を表しています。
しかし、ここで出てくる利益の数値は、実は、実際上の利益ではなく、会計の法則に従って計算された理論上の数値でしかないのです!

利益として手元にキャッシュが残っていると、事実の数値を表した利益が分かるためには、「キャッシュフロー計算書(C/F)」を見なければなりません。

では、キャッシュフロー計算書の構造を見てみましょう。

キャッシュフロー計算書は、営業活動によるキャッシュフロー、投資活動によるキャッシュフロー、財務活動によるキャッシュフローの3つに分かれています。

そして、それぞれがキャッシュがプラスでいくら、マイナスでいくらというように表されます。

この3つはそれぞれどのようなものなのでしょうか。

○「営業活動によるキャッシュフロー」
会社本来の事業から得られるキャッシュの流れを表しています。
材料を仕入れたり、商品を売ったり、社員を雇ったり、営業をしたり、など、通常の営業活動の過程でのキャッシュの動きを表しています。
ここは、会社の本業から得られる利益によるキャッシュ部分であるので「プラス」でなければなりません。

○「投資活動によるキャッシュフロー」
投資による資金の増減を表しています。
固定資産(設備など)や有価証券(株や債券など)の購入や売却による資金の増減を表しています。
投資に積極的な成長企業では、ここのキャッシュフローは「マイナス」になることが多いでしょう。

○「財務活動によるキャッシュフロー」
資金の調達によるキャッシュの増減を表しています。
銀行からの借入れによる資金の増減、株式や社債の発行による資金の増減を表しています。
「プラス」であれば、資金調達をしていることになります。


ここで、優良企業はどのようなキャッシュフローの状態か検討してみましょう。

まず、営業活動によるキャッシュフローが大きくプラスとなっていれば、会社の利益も大きく、健全な会社と言えるでしょう。

さらに、成長させるために、積極的に投資をして、キャッシュフローはマイナスになっているかもしれません。

一方で、資金は潤沢なので、あえて資金調達をする必要がなく、財務活動によるキャッシュフローはマイナスになります。

つまり、
「優良企業」のキャッシュフローの構造は、
営業活動によるキャッシュフローが大きくプラス
投資活動によるキャッシュフローはマイナス
財務活動によるキャッシュフローはマイナス

となります。

ちなみに、「危険な会社」は、
営業活動によるキャッシュフローがマイナス
投資活動によるキャッシュフローがプラス
財務活動によるキャッシュフローがプラス

となります。
本業でうまくいかず、必死に資金調達をしたり、資産を売却して資金をかき集めている状況ですね。

いかがでしたでしょうか。
優良企業であるかを見分けるには、キャッシュフロー計算書の中の3つの構成を見ることです。