「顧客数は把握していますか」
経営分析を行うために使う数字は、財務情報と非財務情報があります。
財務情報は、前回説明しました決算書に出てくる数値です。
例えば、売上100万円、広告宣伝費50万円というような実績の数値です。
一方、非財務情報は、財務情報以外のすべての情報、数値です。
例えば、顧客数、見込み客数、お問い合わせ件数、クレーム件数、Webアクセス数などきりがありませんが、営業活動に関する情報ならすべて含まれてきます。
こういった様々な非財務情報のうち、特にスタートアップ時の会社が最も重視しなくてはならない情報は、
顧客数です。
今回は、どうして顧客数を見ていかなくてはいけないのか説明していきます。
スタートアップ時の会社は、とにかく売ること、売り上げを上げることに必死になっているかと思います。
そして、顧客数を把握していない会社が多いようです。
大手企業、大会社では、CRMと呼ばれる顧客管理システムを導入して、顧客のデータをすべてデーターベース化して、顧客の属性の細かいところまで逐次分析しているところが多いのですが、小さな会社では、事情がまったく違っているのです。
顧客の情報をExcelなどで管理するのは手間がかかり大変ですが、まずは、毎月の顧客数の増減は、きっちり把握していきましょう。
スタートアップ時は、顧客数を増やすことが何よりも重要です。
売上を上げる3つの方法は、
〔顧客数〕×〔平均単価〕×〔購買頻度〕
と言われています。それぞれの数値を上げていかなければなりません。
3つのうち、平均単価と購買頻度は、新規顧客を獲得後に、顧客との継続的なリレーションにより、上げていくことが可能です。
従いまして、まずは、顧客数を一気に上げることが得策なのです。
スタートアップ時は、顧客数が減ることはめったにないかと思います。
常に増加していくのが当たり前ですが、その増加率が下がったり、予測よりも増加していないようでしたら注意が必要です。
まずは、商品・サービスを見直してみましょう。
○商品・サービスの特性が明確で分かりやすいものか
○購入しやすい仕組み、システムになっているか
○価格が妥当な設定になっているか
〔顧客数〕=〔見込み客数〕×〔成約率〕
とも言えますので、見込み客のリストの見直しと営業の商談方法の見直しも行ってみるとよいかと思います。