★経営分析「キャッシュフロー・粗利」
「経営者が見るべき2つの数値とは」
経営者の皆さんにとって、「経営分析」というと何だか専門的で尻込みしてしまいそうと思われる方が多いかと思います。
「今すぐに色んな会計の計算書から、自社の経営状況を分析せよ」
と言われても、何からはじめてよいのやら、まったく困難だと思います。
しかし、経営者は、よりスピーディーな経営判断をしていく上で、数値を分析していかなければなりません。
そこで、私がおススメする経営者が見るべき2つの数値を紹介していきたいと思います。
2つを見るだけなら簡単にできそうですよね。
私がおススメする経営者が見るべき2つの数値とは、
1 現金預金残高
2 粗利益
なぜこの2つの数値かを説明していきますね。
1 現金預金残高
「勘定合って銭足らず」という言葉があります。
これは、儲かっているはずなのに、手元にお金がない状況のことを言っています。
一生懸命、営業の人が売って、売上が増えているはずなのに、手元の現金がカラカラ。。つまり、顧客からの入金が3ヶ月や半年先である商売だと、現金化できないということなのです。
さらに、商品が売れていると、仕入れのために現金が出ていってしまうのです。
このように、日々の企業活動の中で現金は、動いていたり、動いていなかったりと、とてもあいまいな存在になっています。
日々の現金の動きは必ず、現金出納帳など記録をとり、現金がカラカラになる前に、そのことに気づき、早めの対策が取れるように注意しましょう。
また、取引の都度仕訳データを入力し、会計帳簿をきちんと備えている会社は、「キャッシュフロー計算書」を見て、詳細の原因を追究していきましょう。
2 粗利益
経営をしていく上で、利益を見ていくのは当然でしょう。
ここでの粗利益とは、計算書上の「売上総利益」のことです。
売上総利益は、「売上総利益」=「売上」-「売上原価」
で計算されます。
「売上原価」には、仕入原価、物流コストなど、商品、サービスを完成させるためにかかった費用ですが、人件費、広告宣伝費などの営業のための費用は含みません。
ここで重要なのは、「売上」を単に増やすことに注力を置くのではなく、いかに安く仕入れ、高く売ることによって利益を上げるかということです。
利益が増えれば、広告宣伝費にお金をかけたり、新たな設備投資をしたり、従業員を増やしたりと、営業の継続、拡大をすることができます。
しかし、利益がマイナスになってしまうと、従業員に給料も払うことすらできなくなってしまうのです。
もし、新規で事業を始める場合は、粗利率(粗利益÷売上)の高い商品、サービスを選択すべきです。
つまり、仕入コストができるだけかからない商品、サービスを選択すべきなのです。
自力で仕入コストを下げるのは、売上を上げるよりも難しいのです。
まずは、毎月「現金預金残高」と「粗利益」を見ていくことから始めましょう。
この2点からでも今まで見えていなかったことに気づくにちがいありません。
さらに、もっと掘り下げていく必要がある問題点にも気づくかもしれません。