内部統制強化 企業走らす
企業会計審議会、ガイドライン案了承
事務負担、大幅増も
金融庁の企業会計審議会(長官の諮問機関)は、11月20日、上場企業に2008年度から義務付ける内部統制ルールのガイドライン案を了承した。
正確な決算書をつくるための社内体制が整っているかを経営者が自ら点検し、その自己評価を監査法人が監査する。
決算書の信頼性が高まる半面、企業は事務負担の増加が避けられない。
ガイドライン案で内部統制ルールの具体的な手順が明らかになった。
まず企業は業務の流れや管理の仕組みを、細かく文書に記録して保存し、内部統制がちゃんと働いているという客観的な裏づけを準備する必要がある。こうした文書化の作業が企業にとって負担となりそうだ。
企業会計審議会のガイドライン案は、企業に管理体制の強化を促す一方で、負担増に配慮している点に特徴がある。
経営者が社内の管理体制を評価する事業所などの対象は、連結売上高の3分の2を目安とし、対象を限定。
内部統制に「重要な欠陥」がある場合、企業は公表する必要があるが、その基準は「連結税引き前利益の5%を超える影響がある場合」と規定している。
会計審議会は、近く草案を発表し、来年1月にも最終決定する。全上場企業を対象に2009年3月期から順次適用する。