スイートルーム「和」でもてなす
都心高級ホテル
高級ホテルのスイートルームが「和」をテーマに趣を新たにしている。壁紙に和紙を使ったり畳の部屋に座卓を置いたりと、高級旅館の一室を思わせる造りが登場し、「日本らしいもてなし」を競う。来年にかけて本格化する外資系ホテルの日本進出を控え、富裕な宿泊客に照準を合わせた「高級客室戦争」が熱を帯び始めた。
富裕客の争奪戦に
高まる稼働率、収益左右
外資系進出で違いアピール
ホテル各社がスイートルームの魅力を競うのは、外資系ホテルの進出で争奪が激しくなる海外からの富裕層を取り込むためだ。
都内の高級ホテルの客室収入に占めるスイートルームの比率は10%程度。
稼働率は10年前に30%弱といわれたが、現在は50%を超えるとされ、この引き上げがカギとなる。
ホテルの重要な経営指標である客室単価はウェスティンホテル東京で33,000円程度、リーガロイヤルで30,000円前後と言った水準。この数値を引き上げるために、スイートルームが大きな役割を担う。
かつて、ステータスの象徴という意味合いが強かったスイートルームだが、リゾート目的で日本に滞在する海外の客も増え、実用性や個性をアピールするポイントとしても重要になってきた、と。